皇紀2666年 2月1日


桜花

 第1艦隊は呉港にて全艦補給中です。
桜花は朝から補給物資の確認作業です。
本当にこれは面倒です。
それで、昨日木島さんが言っていた「例の部品」っていうのが入ってきているかどうか確認するために提督室備品の控を見てみたんですが、それらしい物は記載されていないんですよね。
ちょっと気になるので部屋に届いた提督室備品を調べてみることにしました。
この提督室備品というのは、早い話 桜花の生活用品なんですが、毎回補給のたびに届く提督室備品を確認するのが桜花は結構好きだったりします。
毎回、ちょっと変わったものが入っていたり、支給される服のデザインがちょっとだけ違っていたりとかして結構楽しいんです。
今回の変わった物は、七色の色が出るペンのついた飾緒と、手をかざすとなぜか変な音が鳴って光る予備のボタンです。
たぶん提督室備品を箱詰めしてる補給部の人は、絶対楽しんでやってると思います。
それで結局、木島さんが言っていた「例の部品」らしい物は見付からないんですよね。
一体どこにあるのでしょうか。






橘花

 本日は桜花提督の補給物資の確認作業を手伝う。
この手の作業はおよそ形式的なものなので、ざっと目を通して確認印を押しておけばいいようなものだが、とにかく彼女はこの作業に時間が掛かる。
まじめというか・・・不器用というか・・・
結局午後になっても終わらないので、なぜか私が梅花の遊び相手をする羽目に。








皇紀2666年 2月2日


桜花

 今日は一応上陸許可が出ているのですが、なぜか呉では移動の制限が多いので、あまり出たいとも思いません。
うめはなも呉ではあまり出たいって言わないので、今日は甲板に出てぼーっと港を眺めたりしています。
でもやっぱり外は寒いので、部屋に戻って昨日支給された新しい防寒着を着る事にしました。
そしたらこの防寒着、なんだか右のポケットが妙に重いです。
調べてみると、なんとびっくりです。
以前、陸軍電算機のシノさんからもらった あの、上層部を通さずにシノさんと連動が出来るという例の接続部品が入っていました。

木島さんが言っていた「例の部品」ってこれのことだったんですね。
こんな大事な部品の事をすっかり忘れてるなんて、私はなんてばかなんでしょうか。
とりあえずこの部品はポケットに入れたままにしといて、この防寒着はたたんでしまっておきます。
それにしても、安全かどうか確認するために木島さんが持って行ったこの部品が再び私のもとに戻ってきたという事は、この部品は接続してみても大丈夫だという事なんでしょうか。
それで実際どうなのか木島さんに確認してみようかと思ったのですが、これの話が出来るような状況にはなかなかならなくて、結局今日は聞きそびれてしまいました。
なんだかちょっと、不安です。






橘花

 一応上陸許可が出ているのだが、当然全く出る気は無い。
今日は桜花提督も梅花も外には出ずに、甲板でぼーっと外を見ていたりする。
しかし夕方あたりになって、なぜか桜花提督だけがそわそわと動き始める。
何かあったのだろうか。








皇紀2666年 2月3日


桜花

 桜花は明日から橘花さんと共に集中整備に入ることになってしまいました。
そう言えば時期的にそんな感じかもしれませんが、今はあの部品のことを何とかしなければならないのでもう大変です。
それで、今日ついに木島さんにあの部品のことを相談する時間ができたので、いろいろ聞いてみようと思ったのですが、木島さんは案外軽い口調で「大丈夫みたいよ」って言ってました。
大丈夫みたいって、どう大丈夫なんでしょうか。
木島さんの話によると、あの部品はシノさんが言っていた通りの性能がある機械だそうで、接続しても、何か変な設定がされてたりして大変なことになったりするようなことは無いんだそうです。
て言うか、あの部品を製造したのは人型電算機の開発に係わった人らしくて、よく調べてみたらその人って、木島さんの知り合いだったんだそうです。
・・・それは、大丈夫かもしれません。
後は、私がそれを使うかどうかの問題で。
でも今はそれどころじゃないので、とりあえず集中整備が終わってから考えようと思います。
それともうひとつ今日中にやっておかなければならないことは、私の留守中にうめはなの面倒を見て頂けるように、皆さんにお願いしていかなければなりません。
でも、忙しくしている私を見てうめはなは「ひとりでだいじょうぶだよ。しんぱいないよ」って言うんです。
うめはなは本当に・・・成長したんですね。
なんだか桜花はちょっと、泣きそうになってしまいました。






橘花

 明日から私は集中整備に入ることになった。
今回も桜花提督と一緒なので、ちょっとうれしい。
しかしなぜか、桜花提督は昨日から引き続いてなんだかそわそわしている。
何があったのかそれとなく話しかけてみると、なんと、以前陸軍電算機から渡された例の部品が再び彼女の手元に戻ってきたのだそうである。
それは、落ち着かない訳である。
しかし、明日には艦から離れなければならない状態では、今更どうにかするということも出来ないし、実際考えてみればそれほど焦るような事でもない。
とりあえず、絶対見付らないように隠しておいたそうなので、まあ大丈夫だろう。








皇紀2666年 2月4日
















皇紀2666年 2月5日
















皇紀2666年 2月6日
















皇紀2666年 2月7日
















皇紀2666年 2月8日
















皇紀2666年 2月9日
















皇紀2666年 2月10日
















皇紀2666年 2月11日
















皇紀2666年 2月12日
















皇紀2666年 2月13日
















皇紀2666年 2月14日
















皇紀2666年 2月15日
















皇紀2666年 2月16日
















皇紀2666年 2月17日
















皇紀2666年 2月18日
















皇紀2666年 2月19日


桜花

 桜花は集中整備を完了し、本日、戦艦飛鳥に戻ってきました。
今回は橘花さんも一緒に戻ってこれたので、ちょっと安心です。
それで、桜花が行く前には「だいじょうぶだよ」って言っていたうめはなも、本当はさびしかったんでしょうね。
桜花が帰ってくると、やっぱり走ってきました。
でも今回は「おそいよ」とか文句を言ったりしないで、にっこり笑って「おかえりっ」って言ってくれました。
これは本当にうれしいです。
桜花も「ただいま」と言ってだっこしてあげます。
それで戦艦飛鳥はというと、現在内部装備の換装中ということで、桜花が整備中の間もずっと呉港の中にいたんだそうです。
今回の換装で飛鳥の電算能力は格段に向上し、それに伴って指揮管制能力もかなり向上するそうですが、その換装作業にやや時間が掛かっており、桜花が整備から戻ったと同時に出航の予定だったのが、何日か遅れるんだそうです。
でも、そんなことより桜花は「例の部品」のことが気になっているんです。
とにかく、急いでさりげなく自分の部屋に戻って、隠しておいた場所にあるかどうか確認してみたのですが、以前と変わりなく、ちゃんと防寒着のポケットの中にあったのでよかったです。
それにしてもこの部品はどうしたものでしょうね。





橘花

 集中整備を完了。
今回は桜花提督と同時に旗艦に戻ることが出来た。
戦艦飛鳥は現在内部装備の換装中ということで、もうしばらく呉港に停泊する予定。
桜花提督はやはり「例の部品」の事が気になっているらしく、なんだかそわそわしている。
それほど気にする事でもないと思うが。








皇紀2666年 2月20日


桜花

 戦艦飛鳥は未だ換装作業中で出航は出来ません。
第1艦隊のその他の艦は補給作業が終了した艦から随時出港し、現在、直衛の重巡「陸奥」以外は全艦瀬戸内海にて洋上待機中です。
それで今日は「例の部品」について、再び木島さんと相談してみたのですが、やっぱり反応はすごく軽くて「そんなに気にする事ないんじゃねえか」って言ってました。
ただ、木島さんが言うには、その陸軍電算機の思惑がどうもよく分からないので、その辺は気を付けた方がいいとの事ですけど、なんだか木島さんの話を聞いていると、ちょっと接続するくらい良いんじゃないかっていう気がしてきました。
でもやっぱり軍人として、ていうか軍兵器としてそれは正しい事では無いと思うんです。
とりあえず入港中は何かと人の出入りが多いので、接続するとしても出港した後の方が良いと思います。






橘花

 戦艦飛鳥は引き続き呉港内にて換装作業中。
桜花提督はやっぱりそわそわしているが、私は特にする事が無いので、飛鳥庵で茶などを飲んでいる。








皇紀2666年 2月21日


桜花

 戦艦飛鳥の内部装置の換装作業は完了しました。
装置の作動試験も無事終了し、本日、飛鳥は重巡「陸奥」と供に呉港を出航、艦隊と合流します。
空母「蒼龍」も既に航空機の搭載を完了しており、第1艦隊はいつでも作戦航行が可能です。
でも軍令部からの指示が無いので、第1艦隊は瀬戸内海にて洋上待機です。
これは「例の部品」を使う絶好の機会かも知れませんが、やっぱり桜花は使う気になれないんです。
もちろん、これを使った方が海陸軍がうまく連携して機能出来るようになるとは思うのですが・・・・
いろいろ考えた結果、ここは橘花さんに相談してみる事にしました。
やっぱりこういうことは、同じ電算機同士で話し合うのが一番です。
それで橘花さんを私の部屋に呼んで、お茶を飲みながら相談してみたのですが、橘花さんの意見はこれまた意外と軽いんです。
「お気が進まないのでしたら私が代わりに接続しましょうか?」って言うんです。
橘花さんは任務に厳格な方かと思っていたので、これは意外です。
橘花さんの話によると「軍を効率的に使うのが私の任務です」との事です。
つまり橘花さんは、この部品を使うことに賛成なのでしょうか。
という事を聞いてみたら、
「全く賛成という訳ではありませんが、とりあえず試しに使ってみる価値はあると思います」
って言ってました。
確かに、そうかもしれません。
やっぱり、これを使うことによって海陸軍の連携が格段に強化されるのであれば、使わないわけには行きませんし、なにより、このままだといつまでたっても落ち着かないですし。
ということで、桜花は決心しました。
この部品を接続してみる事にします。
・・・でも、今日はもう遅いのでまた明日・・・






橘花

 戦艦飛鳥は換装作業を完了し、本日呉港を出航、艦隊と合流する。
それで夕方あたりに、桜花提督が相談があると言う事なので、彼女の部屋に行く。
話というのはやはり「例の部品」の事で、彼女は未だに接続しようかどうか迷っているのだそうである。
木島中将も安全だと言っているのだし、試しに接続してみるくらいなら良いのではないかと思うのだが。
そんなに気が進まないのであれば、私が代わりに接続しようかとも思ったが、彼女はやるなら自分が接続するということで。
しばらくの後にやっと決心がついたらしく、明日接続してみるそうである。
・・・やるなら今日でも良いと思うのだが。








皇紀2666年 2月22日


桜花

 本日ついに、「例の部品」を接続してみる事にしました。
司令室で接続するわけにも行かないので、自室の接続口から接続する事にしたのですが、一人では不安なので橘花さんも呼ぶ事にしました。
それで この部品の接続方法なんですが、これがすごく簡単で 接続コードの先にこの部品を取り付けて それをそのまま耳の後ろの接続口に取り付けるだけなんですが、やっぱりちょっとこわいので、つけるのは橘花さんに手伝ってもらいました。
そして、ついに始動です。
始動したんですが・・・いつもと特に変わりません。
いつもどおり、各艦隊の位置状況や現在与えられている指令、各艦、航空隊、陸戦隊の戦力情報などの司令室で普通に得られる情報が頭の中に入ってきます。
これは、別に大したことは無いのではないでしょうか。
・・・と思っていたら、何とびっくりです。
さりげなく陸軍の戦力情報まで入ってきてるじゃないですか!
あまりにも普通に入ってきてるのでぜんぜん気づきませんでしたが、これはすごいです。
各陸軍部隊の作戦状況から、現装備においての展開可能範囲、攻撃可能範囲とそれに要する時間、物資、さらに兵員の健康状態までもが手に取るようにわかってしまいます。
・・・これはちょっと・・・・
私なんかが見てしまってもいいんでしょうか。
と思っていたら「いいんですよ。好きなだけ見ていって下さい」って誰かが言ったんです。
これは、シノさんの声です。
(声というより意思です)
シノさんは「もう来てくださらないかと思っていました」と言って、少しうれしそうでした。
橘花さんやうめはな以外の人と意思共有するというのは なんとも不思議な感じですが、特に不快でもなく しばらくすると慣れてしまいました。
その後、シノさんからいろいろと説明(というか情報伝達)してもらって、陸軍の現状とかが本当によく分かりました。
それで、一番意外だったのは陸軍司令電算機についてで、実は今接続しているシノさんは端末電算機のシノさんで、本体のシノさんは現在整備中なんだそうです。
しかも、この前飛鳥に来た給湯器みたいなシノさんも実は端末機だそうで、そういう端末機は各地に十数機もいるんだそうです。
で、そのたくさんの端末機と、だいたい一日に一回は意思共有化を行っているので その情報収集量は膨大な量になるんだそうです。
これは・・・すごいです。
さらに驚くべき事に、シノさんは基本的に主力電算機の補助電算機なんだそうで、つまり、主力電算機というのが陸軍にはもう一人いるのだそうです。
まさか陸軍の司令電算機がここまですごいとは思いませんでした。
しかしシノさんの話によると、陸上戦闘というのは日々変化する地形環境などの要素が戦術に大きく影響するので、それらの情報を逐一挿入してして戦略的に司令するにはかなり複雑な電算処理が必要らしくて、現状でも電算機の処理能力はぜんぜん足りないんだそうです。
・・・・陸上戦闘って、大変なんですね。
しばらくしてからシノさんが「今日は試験接続ということで、このへんにしておきませんか?」と言ったのでこのへんにしておくことにしました。
やっぱり、規格の違う機体同士を接続すると、意外に体力を消耗する可能性があるのだそうです。
ということで接続を解除したのですが、そしたら橘花さんが不思議そうな顔をして「おやめになるのですか?」と聞いてきたのです。
一瞬何を言ってるのか分かりませんでしたが、その後橘花さんの話を聞いて、ちょっとびっくりです。
なんと、桜花が接続していた時間はほんの数秒間だったのです。
あれだけの情報伝達を行っておきながら、経過時間はたったの数秒だったなんて・・・・
これはやっぱり・・・シノさんって本当にすごいのかも知れません。
その上、なんだか桜花は結構疲れてしまってるんです。
いやはやなんとも、陸軍機、侮るなかれです。
でもやっぱり、思い切って接続してみてよかったと思います。
今回得られた情報は、きっと今後の作戦展開にも大きく役立つと思いますし。
出来れば、今後もちょくちょく接続していこうかと思います。






橘花

 本日、ついに桜花提督は「例の部品」を使ってみるのだそうである。
それで、やっぱり一人では不安だそうで、私も彼女の部屋に呼び出されることになった。
その後、彼女の部屋で接続が行われたのだが、なぜか彼女は接続した途端に接続を解除してしまう。
一体何があったのかと思ったら、なんと、この数秒間の間で陸軍電算機との情報伝達は全て完了してしまったのだという。
彼女の話によると、ものすごい量の陸軍情報を見る事が出来たのだそうで、そのすごさを一生懸命私に説明するのだが、なんだか疲れているのか、何を言っているのか話がよく分からないので、明日にでも改めて聞いてみようかと思う。
いや、むしろ私も接続してみるべきだろうか。








皇紀2666年 2月23日


桜花

 本日、軍令部より作戦の指示が来ました。
今回は以前も確かやった事がある、有線中継による遠隔司令試験をまたやるみたいです。
前回は無線暗号から有線暗号への変換がうまくいかなくて全く使えませんでしたが、今回はどうなんでしょうね。
明日から接続開始です。
ということで、今日は木島さんに昨日の事をお話する事にしました。
それで、主に陸軍電算機の事とかを話したのですが、木島さんは意外と真剣に聞いてたみたいなんですが、最後はまた軽い感じで「へぇ〜、やっぱり接続してみてよかったじゃん」って言ってました。
ええまあ、よかったとおもいますよ。






橘花

 軍令部より下令。
以前にもやった有線中継による遠隔司令試験をまたやるらしい。
前回は全く使い物にならなかったが、今回は多少は良くなったのだろうか。








皇紀2666年 2月24日
















皇紀2666年 2月25日
















皇紀2666年 2月26日
















皇紀2666年 2月27日
















皇紀2666年 2月28日
















皇紀2666年 2月29日


桜花

 有線中継による遠隔司令試験は終了しました。
今回もやはり、あまりうまくいかなかったみたいです。
一見それほど難しい技術のようには思えないのですが、やっぱりいろいろと難しいんでしょうね。
その上桜花はなんだかすごく疲れました。
今日は早く寝ます。





橘花

 有線中継による遠隔司令試験は終了。
結局、今回もいろいろと問題が多く、うまく機能しなかったらしい。
実用化はまだ当分先になるだろう。








皇紀2666年 2月30日


桜花

 第1艦隊は瀬戸内海にて再び洋上待機です。
今日は何にもする事がありません。
あんまり暇なので、またシノさんと接続してお話しでもしようかと思ったのですが、これってそんな軽々しく使っていいものではありませんよね。
ほんとに私は・・・軍規に反する事なのに、それを一度やってしまうと なんだかもう頭の中ではどうでも良くなってしまっているんですね。
こういうことではいけません。
ということで、今日はうめはなとエゾモモンガと一緒に遊んでいます。
それにしても、このエゾモモンガ「こうめ」はすごく頭がいいんです。
うめはなが走り回っているときは、こうめもぴゅんぴゅん飛び回っているのですが、うめはながじっとお絵描きなんかをしてるときは、うめはなの頭の上にとまってじっとしてるんです。
ここまで動きがぴったり同じだと、なんだかうらやましいです。
それに比べて「とり1」は、ほんとに私の言う事を聞きません。
えさをあげてもただがつがつ食べるだけです。
すこしはこうめを見習ってほしいものです。






橘花

 第1艦隊は瀬戸内海にて洋上待機。
今日は特にする事がないので、艦橋で茶などを飲んでいる。
すると、木島中将が来て「この前の陸軍機との接続はどんな感じだった?」と聞いてきた。
気になるのならば桜花提督に直接聞けば良いと思うのだが、とりあえず、桜花提督から聞いた通りの事を説明しておく。








皇紀2666年 2月31日


桜花

 軍令部より移動命令が来ました。
移動目標は、なんと香港です。
これはおいしそうなものがいっぱいありそうですが、今回の移動目的は、最近当地で活動が確認されている反日組織に対する威嚇ということで、たぶん上陸許可は出ないと思います。
でも、行った事のない所へ行けるだけでも桜花はうれしいんです。
ということで第1艦隊は瀬戸内海を出て、香港に向かいます。





橘花

 軍令部より移動命令。
今回の移動目標は香港近海なのだが、なぜか途中で第8艦隊所属の揚陸戦隊と合流するらしい。
なにやらまた、陸軍絡みの厄介な話の様だ。








皇紀2666年 2月32日


桜花

 第1艦隊は香港に向かい南下しています。
明日には第8艦隊所属の第8揚陸戦隊及び第108駆逐戦隊と合流します。
第8揚陸戦隊には、全艦あわせて海軍陸戦隊一個師団が搭載されており、
・・・なんだかちょっと大げさな感じです。
大陸方面は主に陸軍の管轄なので、海軍がこのような大げさな陸戦展開を行うといろいろと厄介な事になりそうな気がするのですが、陸軍の方では海軍のこのような動きをどのように把握しているのでしょうか。
これはシノさんに聞いてみるしかありません。
ということで今日は自室接続で、再びシノさんと会話する事にしました。
今回もシノさんはちょっとうれしそうな感じで「どうも〜」って言って出てきました。
それで今回の第1艦隊及び揚陸戦隊の香港派遣についてですが、やっぱり陸軍でもこの件は把握していて、なんだかいろいろと厄介な事になってるみたいです。
もともと香港には海軍陸戦隊の基地があって、この地域の治安維持は地元の警察と協力して海軍基地周辺都市警備隊が行っていたのですが、大陸各地で破壊活動を行っている反日組織の拠点のひとつが どうも香港にあるらしいということで、最近になって陸軍がこの地域に部隊を派遣して治安維持活動を始めたのだそうです。
とにかく香港地区は海軍の管轄だから、この地域の治安維持は海軍に任せるべきだと主張する海軍と、大陸全体の治安を担っている陸軍にとって重要な拠点だから、ここの治安維持は陸軍が行うべきだと主張する陸軍とが、もめちゃってる訳なんですね。
まあ・・・そもそも太平洋戦争の頃から、この地域の領有権を曖昧にしたままにしているのが一番の問題なのではないかと思うのですが。
(ていうか、領有権をはっきりさせると帝国軍そのものがここにいられなくなってしまうのかもしれませんが)
まあ、結局のところ、
海軍が揚陸戦隊をこの付近に配置するのも実は、この地域の主導権は海軍にあるんだということをアピールするのが主な目的みたいです。
なんだか、もう・・・
外交的にちょっと穏やかになったかと思ったらすぐに仲たがいを始めるんだから。
「もう笑っちゃいますよね〜」と言ってシノさんも苦笑いしてました。
でもやっぱり、こういうときの為に我々海陸軍電算機は連動できるようにしたんですから。
何とかしなければなりません。
とにかく今回桜花は、香港の陸戦隊の指揮権は持っていないので、海軍陸戦隊の行動状況をシノさんに提供して、それにあわせてシノさんの方で陸軍部隊をうまく動かしてくれるそうです。
で、それにあわせて揚陸戦隊の方はこちらでうまく何とかするということで。
まあこれで、香港地区内での海陸軍部隊同士のいざこざがなくなれば良いのですが。





橘花

 第1艦隊は明日、第8艦隊所属第8揚陸戦隊及び第108駆逐戦隊と合流の予定。
それで今日、桜花提督は再び陸軍電算機と接続して、いろいろと状況を聞いてみたそうである。
話によると、やはり香港地区では海陸軍がなにやら主導権争いをしてるそうで。
しかし今回は陸海軍電算機が連動する事で、何とかうまくいきそうな感じなんだそうである。
それで桜花提督は一日中上機嫌で。
まあなんだかよく分からないが、めでたしめでたしである。







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