皇紀2666年 3月1日


桜花

 本日、第1艦隊は第8艦隊所属の第8揚陸戦隊及び第108駆逐戦隊と合流しました。
このまま順調に行くと、あさってには香港近海域に到着します。
それで今日はうめはなと二人で甲板に出て、合流した艦隊を数えてみたりしています。
今回合流した第108駆逐戦隊は沿岸海域での任務に適した軽艦艇で構成されていて、この類の航続距離が比較的短い艦艇と第1艦隊が併行する事はあんまり無いので、ちょっと見ていておもしろいです。
特に今日は波が高くて、「椿」型駆逐艦は大波に当たるとすごく揺れてるみたいなので、見ているこっちがはらはらしてしまいます。
中に乗ってる人は大丈夫なんでしょうか。
結局今日は、うめはなと二人で「あーっ」とか「おおーっ」とか言いながら、ずっと「椿」型を見ていたような気がします。






橘花

 本日、第1艦隊は第8艦隊所属の第8揚陸戦隊及び第108駆逐戦隊と合流。
再び目的地に向かい航行。
特に問題無し。








皇紀2666年 3月2日


桜花

 今日もこっそり「シノ」さんと接続してみたりします。
シノさんの話によると、こちらの提供した海軍情報によって、香港の海陸軍のいざこざはうまく抑えられてるみたいです。
これは良かったですね。
ということで今日は、シノさんとちょっと雑談とかをしてしまいました。
シノさんは本当に物知りで、桜花はもうほとんど聞いてるだけなんですが、すごくおもしろかったです。
途中でもう一人の陸軍主力電算機の話もあったんですが、これは桜花も大変興味があるのでしっかり聞いておきました。
陸軍の主力電算機の人の名前は「シホ」さんというんだそうです。
なんだかシノさんと似たような名前ですが、これはなぜかというと、陸軍では中戦車には「中」の頭文字を取って「チ○」、砲戦車には「砲」の頭文字を取って「ホ○」という名前を付ける事になっているのですが、その流れで、司令電算機には「シ○」という名前を付ける事になっているのだそうです。
なるほどです。
でもなぜかうまい事女の子の名前みたいになっているのは単なる偶然なんでしょうか。
それで「シホ」さんについてですが、陸軍司令電算機というのは海軍司令電算機と違って、開発にはものすごく苦労したのだそうです。
その原因は「複雑な地形効果」で、これが軍の行動全てに大きく影響するので、これを電算機で処理するというのはとても大変な事なんだそうです。
また、艦隊戦の場合は戦力の最小単位は「艦艇」または「航空機」となるのですが、陸戦の場合のそれは「一兵員」となる訳で、それを考えただけでも ものすごい情報処理能力が必要となるということがよくわかります。
結局のところ、海軍に対抗して陸軍でも司令電算機を開発したはいいが、司令電算機というのはそもそも艦隊を運営してこそ効果のある装置であって、陸上戦闘では全く使い物にならない兵器なんだそうです。
(陸軍電算機であるシノさん自身がきっぱり「使い物にならない」って言うのもすごいですよね)
しかしその後、しばらく試験運用を続けているうちに、なぜか「シホ」さんの指揮能力は飛躍的に向上したそうなんです。
これは開発部の人も驚きの現象だそうで、その原因はよく分かってはいないそうなんですが、恐らく「シホ」さんにはそもそも「人間部分の頭脳」の方に用兵の才能があって、それがうまい事「電算部分の頭脳」と融合したのではないか、というふうに言われてるんだそうです。
これは・・・なんだかすごいことですね。
桜花はちょっと、その「シホ」さんにお会いしたくなってきました。
でもシノさんが言うには、「シホ」さんは海軍電算機に必要以上に対抗意識を持っているそうなので、まだしばらくは会わない方がいいんだそうです。
それは残念ですね。
ちなみに、シノさんが海軍機と密かに接続しているという事は「シホ」さんは知らないんだそうです。
大丈夫なんでしょうかね。






橘花

 今日も桜花提督は、陸軍電算機と接続したそうで、その陸軍機から聞いた話を本当に楽しそうに私に話したりする。
接続するかどうかでものすごく悩んでいた彼女は一体どこに行ったのか・・・








皇紀2666年 3月3日


桜花

 第1艦隊は本日午後、香港近海域に到着しました。
旗艦はあらかじめシノさんと打ち合わせしておいた「陸軍兵に一番悪影響を与えないと思われる場所」に停泊します。
この場所は、ランタオ島の北西部に位置し、
香港島から見ると、ちょうど海軍航空隊基地の向こう側になります。
軍令部が指定した位置とは少し違うのですが、その辺はいろいろとうまくやりくりしました。
それでしばらくは街の風景などをゆっくり眺めたり出来るかと思っていたのですが、明日から桜花達は直接続で遠隔司令訓練に入ります。
遠隔司令を行うのは、第3機動艦隊と第16支援艦隊で、この艦隊は常に中東からの石油輸送線を確保するために行動しているので、今回は訓練というよりも実動といった方が良いかもしれません。
ただ心配なのは、遠隔司令中はシノさんと会話できないという事です。
何か困った事にならなければ良いのですが・・・





橘花

 第1艦隊は香港近海域に到着。
そして明日より、なぜか遠隔司令訓練を開始するらしい。
まあどうせ、第1艦隊はしばらく動かないから恐ろしく暇になると思うので、
何か仕事が与えられていた方が良い。








皇紀2666年 3月4日
















皇紀2666年 3月5日
















皇紀2666年 3月6日
















皇紀2666年 3月7日
















皇紀2666年 3月8日
















皇紀2666年 3月9日
















皇紀2666年 3月10日
















皇紀2666年 3月11日


桜花

 整備のため接続を解除しています。
ちょっとだけシノさんと接続してみようかと思いましたが、なんだか疲れて寝てしまいました。













皇紀2666年 3月12日








橘花

 整備のため接続解除。
艦隊位置は以前と変わらず。異常なし。








皇紀2666年 3月13日
















皇紀2666年 3月14日
















皇紀2666年 3月15日
















皇紀2666年 3月16日
















皇紀2666年 3月17日
















皇紀2666年 3月18日


桜花

 整備のため、接続を解除しています。
今日もシノさんと接続してみようかと思ったのですが、やっぱり眠いのでだめです。
でも木島さんの話によると、香港の方は結構うまく行ってるみたいです。
安心しました。














皇紀2666年 3月19日








橘花

 整備のため接続解除。
特に異常なし。








皇紀2666年 3月20日
















皇紀2666年 3月21日
















皇紀2666年 3月22日
















皇紀2666年 3月23日
















皇紀2666年 3月24日
















皇紀2666年 3月25日


桜花

 遠隔司令は本日で一応終了になります。
今回の任務は商船護衛や掃海など、あえて司令電算機を使用するほどのこともないような任務ばかりでしたが、まあ、これも良い経験です。
それで香港の方はというと、既に陸軍部隊は撤収を完了していて、だいたい終わった感じです。
たぶん、間も無く第1艦隊にも撤収指示が来るでしょう。
それで、シノさんと接続して状況を聞いてみようかと思いましたが、やっぱり長期接続の後に処理能力の高いシノさんと接続するのはちょっと大変かと思ったので、明日にします。
たぶんそれほど問題はなかったみたいですし。





橘花

 遠隔司令を終了。
話によると、香港の陸軍も既に撤収済みということで、要するに陸軍か撤収したから、この「暇つぶし任務」も終了したのだろう。
明日には第1艦隊も撤収の予定。








皇紀2666年 3月26日


桜花

 本日、第1艦隊は香港近海域を離れ、呉に戻ります。
第8揚陸戦隊及び第108駆逐戦隊とは、ここでお別れです。
それで、今日ついにシノさんと接続してみたのですが、香港の方はうまく行ったみたいで海陸軍の緊密なる連携の下、反日組織の拠点を捕捉、制圧出来たのだそうです。
これは良かったですね。
今後もこんな感じで行けばいいですね。
ということで今日は、またシノさんとちょっと雑談しました。
今日もシノさんは、いろんなことをいっぱい教えてくれたのですが、その話の中で一つ、とても興味深い話がありました。
シノさんは突然、「アドルフの娘とお会いしたそうですね」って言ってきたんです。
最初、桜花は何の事だかよく分からなかったのですが、これって、実は、あの、1月14日に、なんだかわけの分からない真っ赤なカーテンの部屋につれてかれた日の話なんですね。
桜花はそんな事、もうすっかり忘れていたのですごくびっくりしました。
でもこれは、なんだかすごく重要な話のような気がするので、しっかり聞いておきます。
それで、シノさんの話によると、「アドルフ」というのは、現在のドイツ政府の支持基盤となっている右翼団体の最高指導者の方なんだそうです。
しかし、最高指導者なのにその姿が公に現れた事は一度もなくて、どんな人なのかは誰も知らないんだそうです。
さらにこの人のすごいところは、なんと予知能力があるんだそうです。
・・・予知能力とは・・・なんとも非現実的な話ですが、シノさんの話によると我々人型電算機も、能力をさらに向上させればそれなりの未来予測が可能で、それを予知能力と言ってしまえば、それほど非現実的な話でもないんだそうです。
しかも、「梅花さん級の電算機ならば、それなりの予知能力はあると思いますよ」なんて事を軽く言うんですから、もうびっくりです。
・・・・本当なんでしょうか・・・
それで、この「アドルフ」さんなんですが、この予知能力っていうのがすごくって、未来の経済状況や世界情勢、天候や地震などの災害まである程度予測してしまうそうで、その能力が、ドイツ国民の支持につながってるらしいんです。
ここまで来ると、もう宗教団体みたいですね。
で、このアドレフさんには、双子の娘がいるそうで、私が以前会ったのは、その双子の内の一人なのではないかという事です。
あの少女は・・・そんなすごい人だったんですね。
それにしてもシノさんの情報能力って、やっぱりすごいですね。
話の最後にシノさんに「その少女はどんな感じの人でしたか?」と聞かれたのですが、桜花も実際話とかしたわけじゃないからよく分からないので、とりあえず見た目の印象で「人形みたいな人でした」と言っておきました。
そしたらシノさんはしばらく考えてから「やっぱりそうですか」って言うんです。
・・・・「やっぱり」って、どういう事なんでしょうか。





橘花

 本日、第1艦隊は香港近海域を離れ、呉に向かう。
第8揚陸戦隊及び第108駆逐戦隊は艦隊と分離し各自母港へ戻る。
それで今日は、桜花提督がなにやら陸軍電算機からすごい情報を得たらしく、ばたばたとあわただしく私の部屋に入ってきて、その話を始めた。
でも最初彼女は興奮してて、何を話してるのかよく分からなかったので、とりあえず茶とようかんを与えてみたら、幾分話の意味が分かるようになった。
それで彼女の話によると、以前1月の14日に彼女が一人でどこかに連れて行かれた事があったが、その時彼女か会ったという少女の素性が分かったのだと言う。
その少女とは、なんと現在ドイツを実質支配している右翼団体の最高指導者「アドルフ」の娘なのだそうである。
これが事実であれば・・・・海軍軍令部は、ドイツ政府と裏で繋がってるという事になる。
まあ、もともと軍令部の裏の繋がりというのはかなり幅広いので、ドイツ政府と裏で繋がっていようがたいして驚くべき事でもないのかもしれないが。
ただ一つ分からない事は、
なぜ桜花提督を、その「アドルフ」の娘とやらにあわせる必要があったのかである。
電算機同士の会合ならば、接続して情報システムの共有化などを行えばかなり有意義ではあるが、当然ドイツに人型電算機が配備されてる訳もないので・・・
全く不可解である。







皇紀2666年 3月27日


桜花

 そういえば、「アドルフ」っていう名前、どこかで聞いたような気がするんですよね。
それで今日はずーっとその事を考えていたんですが、そしたらうめはなが「チョコのうらにかいてあったよ」って言うんです。
そうなんです!
確かあれは去年の10月あたりに、不思議な人たちから不思議なチョコレートをもらった事があったんですが、そういえばあの裏側に「Adolf」って書いてあったんです。
あれはずっと、チョコレート工場か何かの名前かと思っていましたが・・・
・・・ひょっとしてあのチョコレート、「アドルフ」さんが送って来たものなんでしょうか。
だとすると、表側に書いてあった文字、あれは確か・・・
「心変わり、しない、あなたを、望む」
でしたよね。
あれって一体・・・
ひょっとして、何か深い意味があるのでしょうか。
でも、心変わりも何も、桜花はアドルフさんに会ったこともありませんし・・・
ますます分かりません。






橘花

 桜花提督は、昨日得た情報の事が気になっているらしく、なんだか一日中落ち着かない感じである。
それで私に「アドルフって名前、どこかで聞いたような気がするんですよね」などと言ってくる。
「アドルフ」といえば、およその人がアドルフ・ヒトラーを連想するはずだし、ヒトラーといえば歴史上の超有名人なので「聞いたような気がする」も何もないと思うのだが。
・・・ひょっとして・・・知らない?








皇紀2666年 3月28日


桜花

 今日はなんだか、ドイツの事が気になるので、また図書室に行ってドイツの事を調べる事にしました。
でも桜花は読解力が無いので、結局、本よりも資料映像の方が良いかと思って映像の方を探していたんですけど、ドイツ関係の映像ってなかなか無いんですよね。
それでしばらく探してみたら「ドイツの調べ」という映像が出てきました。
これです。
きっとこれは、ドイツについて調べた事が入ってる映像でしょう。
これは良いです。
早速見てみます。
すると始めに、オーケストラの演奏の映像が入りました。
オープニングからかなり本格的です。
これは良いですね。
それで、最初は桜花も結構いい気持ちで聴いていたのですが・・・なんか、この演奏、いつまでたっても終わらないんです。
桜花としては早くドイツについて調べた事を見たいのですが、なんだか一生懸命演奏してる人たちを見てると早送りするのもなんなので、しばらく見ていたのですが、なんだかだんだん眠くなってきて、気がついたらもう・・・寝てしまいました。
(しかも誰かが布団までかけてくれてます)
ああ、結局桜花は今日も一日無駄に過ごしてしまったのですね。
それでその後、図書室の人にこの資料映像について聞いてみたのですが、これは結局、最初から最後までオーケストラの演奏だけしか入っていないんだそうです。
そうだったのですか。
では、なんで「ドイツの調べ」なんて題名なんでしょうか。
これだとまた桜花みたいにドイツについて調べようと思ってる人が間違って見てしまうかも知れないので、マジックで「調べ」の部分を消して「オーケストラの演奏」って書いときました。
これで大丈夫です。






橘花

 今日は特にする事が無いので飛鳥庵で茶などを飲んでいる。
すると梅花が「おうかがいない」などといってべそをかいているので、なぜか一緒に桜花提督を探す破目に。
しかしそのうちに梅花は歩き回る事自体が楽しくなってきたのか、
気がついたら捜索がかくれんぼに変わっている。
非常に疲れた。







皇紀2666年 3月29日


桜花

 第1艦隊は瀬戸内海に入りました。
間も無く呉港に入り全艦補給です。
それで、今回はなにやら「テロ対策強化中」との事で、桜花に上陸許可はありません。
まあどっちにしろ、呉ではあんまり自由に歩き回れないので良いんですが。
それにしても毎回毎回、なぜか呉では上陸が出来ませんよね。
呉港近辺って、そんなに治安が悪いのでしょうか。
どっちかって言うと、サイゴンあたりの方が治安は悪いと思うんですが。





橘花

 第1艦隊は瀬戸内海に進入。
間も無く呉に入港し全艦補給。








皇紀2666年 3月30日


桜花

 今日は補給物資の確認作業です。
まあどっちにしろ外には出られないので、のんびりやってます。
うめはなも呉ではどうせ外に出られないということは分かっているらしく、なんだかくたーっとなってます。
そんなうめはなを見てると、桜花もくたーっとなってしまいます。
外は雨が降ってます。






橘花

 本日は補給物資の確認作業。
上陸許可は出ないし外は雨が降っている為か、
桜花提督も梅花も なんだかしおれた野菜みたいになっている。
ちょっとかわいそう。








皇紀2666年 3月31日


桜花

 今日も雨です。
雨が降ってると甲板に出られないので、艦が停泊中は本当にすることが無くて困ってしまいます。
ということで、今日はまたシノさんと接続してみたりします。
(最近では、なんかもう暇つぶしでやってるみたいですよね)
シノさんは今日もうれしそうに「どうも〜」て言って出てきました。
(実はシノさんも結構暇なのかもしれません)
今回もシノさんはいろいろと興味深いお話をしてくださったのですが、
そのうちに呉港の話になったんですね。
桜花も呉港近辺の治安状態とか、結構気になっていたのでいろいろ聞いてみたのですが、現在の呉は別に治安が悪いわけでもないそうで「テロ対策強化」なんてする必要は無いんだそうです。
じゃあなんで桜花は外に出られないんでしょうか。
シノさんの話によると、呉港内には海軍の中でも軍令部とあまり仲が良くない人たちが多いそうで、軍令部は、桜花がそういう人たちと密かに会ったりしないように警戒してるんじゃないかという事です。
まさか、そんな事の為に桜花を艦内に閉じ込めておくんですか?って思ったんですけども、その「反軍令部派」っていうのは、軍令部も警戒するほどの結構な勢力なんだそうです。
さらに驚くべき事に、桜花の前の連合艦隊司令長官(山本さんっていうそうです。じつは今まで知りませんでした)も、その「反軍令部派」の人だったらしくて、この任を解かれたのも、実はそれが原因だったんじゃないかっていうんです。
(そういえば旗艦参謀部の方々が その「山本さん」の話をあんまりしないのも、そういう理由なんでしょうか)
ということはつまり、連合艦隊提督を扱いやすい人型電算機にしたのは、軍令部が艦隊を制御しやすくするためだったんでしょうか。
・・・そう思うとなんだか・・・不愉快ですね。





橘花

 今日は特にする事がない。
飛鳥庵も閉まっているので、とりあえず調理室に行って自分で湯を沸かして茶を入れる。
すると梅花が来て「きっかおむらいすつくって」と言う。
私が調理室にいるからって、なぜオムライスなどを作らなければならないのか。
しかし、どうせ他にする事は無いわけだし、穏便にこれを断る事の手間を考えた結果、今日はオムライスを作ることにした。
現在調理室には航海中に残った古い食材の多くは処分されていて、オムライスを作るのに必要なものは残っていないので、とりあえず補給部から、卵、たまねぎ、鶏肉、バターなどの新鮮食材をギンパイしてくる。
そして調理開始。
まず、刻んだ鶏肉、たまねぎ、ピーマン、エリンギをしばらく炒めた後、ご飯を加えて、さらに炒める。
ここでワインなどがあれば良いのだが、無いので代わりにみりん風調味料を加え、食材がうまく「回る」ようにフライパンを振りながら焼き付ける。
そして塩コショウで軽く味付けした後、細かく刻んだトマト、ケチャップ、隠し味にしょうゆを少したらして軽く炒め合わせた後、皿に盛って、手早く卵に取り掛かる。
卵は二つ、ボールでかき混ぜて牛乳を加え、塩コショウで味付けする。
フライパンは油大さじ1を加え十分熱してから、ボールの卵を流し入れ、箸でかき混ぜながらフライパンの奥に寄せる。
オムライスを作るうえで一番の難所と言われるのがこの「卵の返し」で、左手でフライパンを持ち、少し斜めの状態で左手首を右手で軽くたたく。
うまく返ったら時間を置かず、それを皿に盛った炒めご飯の上に乗せる。
そしてナイフでこれの中央に切れ目を入れ、それを両側に伸ばしてうまくご飯を包み込んだら これにケチャップをかけてオムライスの完成である。
・・・・
ふと気がつくと、周りには兵士や港湾要員がいっぱいいて、
完成と同時になぜか「おお」という歓声と共に拍手。
一体、何なのだこの状況は。
・・・なんだか、我を忘れて料理に熱中していた自分が急に恥ずかしくなってきた。
でも、「おいしー!」と言ってオムライスを食べる梅花を見てると・・・ちょっと、嬉しい様な、なんというか。
まあ、これはこれで良い暇つぶしという事で。









皇紀2666年 3月32日


桜花

 今日は昨日と打って変わって、すごく良い天気です。
しかも雨上がりの良い天気なので空気がすうっときれいで、もう、良い感じです。
ということで今日はうめはなとふたりで甲板を走り回っています。
途中で艦長さんが外でビーチボールを買ってきた下さって、今度はそれで遊んだりしています。
ていうか艦長さんって、うめはなにはほんと甘いんですよね。
うめはなのほしがるものをすぐに買ってきてくださるんです。
それで、うめはなの部屋には艦長さんに買ってもらったものがいっぱいで、
今では寝る場所もないくらいなんですよ。
(まあ、うめはなはいつも桜花の部屋で寝てるからいいんですけど)
それにしても、やっぱり、天気が良いとうれしいですね。





橘花

 今日も特にする事が無い。
調理室に行ったらまた料理させられるかもしれないので、今日は参謀部にある給湯器からお湯を出して茶を入れる。
そして、天気が良いので見晴らしの良い艦橋に上って、そこで雑誌などを読みながら茶を飲む。
これが一番落ち着く状態である。
甲板では桜花提督と梅花と、なぜか艦長までが出て遊んでいる。
なんだか楽しそう。







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