桜花
第1艦隊は呉を出港し、再び瀬戸内海にて洋上待機です。
それで午前中に空母艦載機の収容を終えると今日はとくにすることが無くなったので、部屋に戻ってシノさんとお話でもしようと思ったのですが、シノさんはずっと戸棚の中で全く動きません。
ここまで全く動かないと、少し心配になってきます。
それでしばらく戸棚を空けてシノさんが動き出すのを待っていたのですが、そのうちにシノさんは、真ん中についている小さな穴からチカチカと赤い光を出し始めました。
これはひょっとして、なにかまずい事になっているのではないでしょうか。
すると突然うめはなが「しのたんコンセントつけてっていってるよ」と言うのです。
うめはなはなんでそんな事が分かるのでしょうか。
そうです、この赤い光は「光波送信」です。
シノさんはうめはなと光波で会話していたのです。
さすがはシノさんです。見た目はポットでも高性能です。
(ていうか桜花は装備をつけないと光波受信が出来ないので、なんだかうらやましいです)
それで、とりあえずその辺にあった昔使っていた給湯ポットのコンセントをシノさんにはめてみたんですが、しばらくしたらシノさんからにょっきり手がはえてきて「どうも〜」と言ったので一安心です。
シノさんの話によると、ずっと戸棚の中に隠れていたら、ついうっかり充電をするのを忘れてしまったのだそうです。
しかもシノさんの中に入っている生体頭脳は、じっとしていても常に電力を消費するそうで二週間以上充電しないでいると、なんと、死んでしまうんだそうです。
そんな大事な事をついうっかり忘れてしまうなんて・・・・ダメじゃないですか、シノさん。
(しかも光波送信とか出来て高性能なのに、充電は家庭用コンセントから行うというのはどうなのでしょうか)
まあとりあえず・・・今日はシノさんが死なないでよかったです。
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