皇紀2665年 3月1日


桜花

 艦隊戦訓練は終了しました。
敵艦隊はあれから発見できませんでしたし、攻撃も一度も受けませんでした。
結局、なんだったんでしょうね。
でも、なんだかもう深く考えても仕方がないので考えないようにします。
すごく疲れたので、今日はもう寝ます。














皇紀2665年 3月2日


桜花

 第1艦隊は第13艦隊と分かれて、このまま呉に帰ります。
それで今日はおなかがすいたので、朝から飛鳥庵で「さーたーあんだぎー」を食べてます。
でも、「さーたーあんたぎー」の在庫には限りがあるので、あんまりたらふく食べると無くなってしまいます。
だから、すぐに無くならないように味わって食べます。
そしたら飛鳥庵の店主さんが「桜花ちゃん、上品になったねえ」って言ったんです。
これはびっくりです。
味わって食べると、上品に見えるんですね。
しかも、食べ物がすぐに無くならないので一石二鳥です。













皇紀2665年 3月3日


桜花

 今日は雨が降っているので甲板には出られません。
それに、なんだか波も高いです。
こういう日は、桜花は艦橋の窓からずっと外を見ています。
たまに強い風で、雨が窓にばちばちと音をたててあたったりとか、波が艦首の上まで上がるのを見たりとかするのがなんだか楽しいんですよね。
そうやって、雨の日の桜花は基本的にじっとしてるので、天気が悪い日の桜花は元気が無いとかって皆さん思ってるみたいですけど、そういうわけじゃないんですよ。







 ・・・・・







皇紀2665年 3月4日


桜花

 橘花さんは未だに帰ってきません。
整備点検で、なにか異常が見付かったのでしょうか。
少し、心配です。
参謀部の方々も、口には出しませんが心配しているみたいです。
このままでは、橘花さんが帰って来る前に「さーたーあんだぎー」は無くなってしまうかもしれません。
あ、でも結局、桜花が食べない様にすればそれでいいんですけどね。













皇紀2665年 3月5日


桜花

 第1艦隊は明日、呉港に入ります。
そしてなんと、桜花はまた整備点検の為に飛鳥を離れることになりました。
一体、なんなんでしょうか。
桜花はこの前整備点検をしたばっかりじゃないですか!
しかも、橘花さんはまだ帰ってきていないというのに。
これは絶対、なにかおかしいです。








 ・・・辺りは、今までに無いほど、暗い。・・・全ての感覚が・・・無い。







皇紀2665年 3月6日
















皇紀2665年 3月7日
















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皇紀2665年 3月9日
















皇紀2665年 3月10日
















皇紀2665年 3月11日
















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皇紀2665年 3月22日
















皇紀2665年 3月23日
















皇紀2665年 3月24日
















皇紀2665年 3月25日
















皇紀2665年 3月26日








橘花

 整備は完了。
なんだかとても、永い夢を見たような気がする。
若しやと思い、整備の人間に日付を聞いて見ると、もう3月の末だと言う。
また、整備に酷く時間が掛かったものだ。
明日には戦艦飛鳥に帰れる。








皇紀2665年 3月27日








橘花

 戦艦飛鳥に戻る。
残念なことに、桜花提督は整備に入ったらしく、ここにはもういない。
なんだか寂しい。
艦の状況は特に異常は無いが、私の部屋の隣で何やら荷物の出し入れをしているので、のぞいて見ると、そこに見た目が小学生ぐらいの不思議な少女がいる。
どうやらこの部屋の新しい住人らしいが、その少女は私を見るなり「きっかだきっかだ!」と大はしゃぎである。
小学生に呼捨てにされる筋合いも無いのだが、気が付いたら彼女の部屋の片付けを手伝わされる破目になってしまった。
一体なんなのだ、この小学生は。








皇紀2665年 3月28日








橘花

 隣の部屋に来た少女の正体が分かった。
予想はしていたが、彼女は新型の人型電算機という事である。
名前は「梅花」、65式である。
我々64式と基本的には同じだが、各種、新装備が搭載されているという事らしい。
しかし、その割りに・・・子供である。
見た目だけではなく、言葉使い、行動、全てに幼さを感じる。
どう考えてもこの子に艦隊指揮は無理かと思われるが、間も無く、この少女を使用して模擬艦隊戦訓練を予定しているという事である。
極めて不安。








皇紀2665年 3月29日








橘花

 第1艦隊は瀬戸内海から外洋へ、訓練海域に向う。
今日は一日、この「梅花」に付き合わされて、艦の案内をさせられる。
こういう仕事は桜花提督の得意分野かと思うが、まだ帰ってこないので仕方が無い。
とにかく、梅花は何事にも興味津々で、「あれは何?」「これは何?」と聞いてくる。
そして、広い甲板に出ると大喜びで走り回る。
その上、よく食べる。本当によく食べる。
・・・なんだか、桜花提督に似ている。








皇紀2665年 3月30日








橘花

 久々に飛鳥庵に行ってみると、店主が「さーたーあんだぎー」という物を出してきた。
揚げ菓子の一種の様だが、これは桜花提督が私の為に残しておいてくれた物という事である。
まあ たった一つだけなのだが、あの桜花提督からすれば残しておくか食べてしまうかという事は究極の選択だったに違いない。
これは有り難く食べようかと思ったが、「梅花」が後ろでじっと見てるのでなんだか食べ辛い。
結局、「さーたーあんだぎー」は梅花にあげてしまった。
彼女はもう、大喜びである。
何がそんなに嬉しいのか・・・








皇紀2665年 3月31日








橘花

 指定海域に到着。
第4機動艦隊所属の第12駆逐戦隊 及び第8防空戦隊と合流した後模擬艦隊戦を開始する予定。
訓練相手は第8機動艦隊である。
話によると、第8艦隊と この時期に模擬艦隊戦をするのは恒例行事だという事らしい。
とにかく大きな戦力差があるので 毎年第1艦隊は負けていたのだそうだが、去年、桜花提督の指揮の下始めてこの模擬戦に勝利したのだという。
それで、今回も勝てるのではないかと兵員達は期待している様だが、今回は司令機に「梅花」を使用せよとの軍令部の指示なので、私はなにもすることができない。
そもそも、この「梅花」に本当に艦隊指揮ができるのかどうかも疑問である。
まあ、実際私には関係無い事なのだが、なぜか少し心配になる。
しかし、梅花自身は全く気にしていない様子。
というよりむしろ、分かっていないといった感じ。








皇紀2665年 3月32日








橘花

 明日の明朝より、模擬艦隊戦開始の予定。
毎回この訓練は違った状況が想定されるのだが、今回はおよそ前回の作戦と同様、
「敵揚陸艦隊ヲ硫黄島近海20海里以内ニ近付ケヌコト」
「作戦遂行ノ支障ト成ル程ノ損害ヲ受ケヌコト」
そして、
「敵艦隊ノ揚陸作戦遂行能力ヲ無力化セシムコト」
敵艦隊との戦力差を考えれば、全く無茶な作戦要項である。
その上今回は、後退限界線がこれに加えられているので、昨年桜花提督が勝利した際に使った「島を捨てて逃げる」作戦を行うには、かなりの制限を受けることになる。
正に絶対絶命といった感じだが、この条件に新型機「梅花」はどのように対抗するのだろうか。
しかし、当の梅花は依然として全く気にしてない様子で、茶菓子などを食べている。
大丈夫なのだろうか・・・







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