皇紀2664年 5月1日


桜花

 呉港に入ってから今日で4日目。流石に暇になってきました。
雨が降っているので甲板には出られないし、艦内要員の方々はほとんどいないので当然艦内のお店も全部閉まっています。
いつもお話してくださる参謀部の方々も休暇中なので誰もいません。
忙しく整備作業をしている港内要員の方々に話しかけるのもなんですし・・・
それで今日は点検中の機関室を見てこようと思ったのですが、整備点検中は放射線防護服を着ないと入れないという事で機関部区画全域立ち入り禁止になっていました。
ほんとに何もする事がありません。
こんな感じで後3日も過ごさなければならないかと思うともううんざりしてしまいます。





橘花

 航空機での長時間移動の末、連れて来られたのは最前線基地の東鳥島。
そして入港中だった第5機動艦隊旗艦「榛名」に上がる







皇紀2664年 5月2日


桜花

 今日は嬉しいことに木島さんが帰ってきてくださいました。
休暇はまだ残っているのになぜ戻ってこられたのか聞いてみると、
「家にいてもする事ねえ」
からだそうです。
そして、今日始めて知ったのですが木島さんは一人暮しなんだそうです。
昔は奥様がいらっしゃったそうですが、お嬢さんを生んでからすぐに亡くなられたそうで・・・
その後、一人でお嬢さんを育てて来られたんだそうですが、
そのお嬢さんも16歳の時に事故で亡くなられたんだそうで・・・
それからずっと木島さんは一人暮しなんだそうです。
木島さんって、いつもニコニコしてるのにほんとはすごく苦労されてる方なんですね・・・





橘花

 ・・・・・







皇紀2664年 5月3日


桜花

 今日は天気が良かったので木島さんとずっと甲板にいました。
それでただ港を見てるのもつまらないからという事で木島さんが、野田さんの部屋にある釣道具を勝手に借用して(いいんですかね)釣を始めました。
釣竿は二本あったので私も釣をさせてもらいました。
釣というのは魚が来ないと結局何もしてないのと同じことなんですけど、ひょっとしたら魚が来るんじゃないかという緊張感が常にあるので、なんだかいいんですね。
でもほんとにずっと魚は来なかったので、その間木島さんといろんなお話をしました。
身の回りのちょっとした話から星の話まで、とにかく木島さんはいろんな事を知っていらっしゃるので聞いててとても楽しいです。
そうこうしてる内に夕方になったので、そろそろ中に入ろうかと思っていた時、なんと私の竿に魚が来たんです。
私は生まれて始めて魚を釣りました。もうその時は嬉しくて嬉しくて、ばかみたいに大騒ぎしてしまいました(今思うとちょっと恥ずかしいです)。
釣れたのは10センチぐらいの「ウグイ」という魚です。

木島さんが言うには「食って食えねえことは無いけど小骨が多くてそんなにうまいもんでもない」という事なので、結局逃がしてあげました。
でも釣っていいですね。
魚が引いた時のあの振動が。
なんと言うか、いいですね。






橘花

 第5機動艦隊、東鳥島を出港。近海での艦隊行動試験を開始。







皇紀2664年 5月4日


桜花

 第1艦隊は、整備補給全て完了しました。
休暇を終えた艦内要員の方々も帰ってきて明日の明朝には総員再配備完了です。
やっぱり飛鳥は人がいっぱいいる方がいいですね。
明日1000時出航予定です。
今の所軍令部からの指示は無いので出航後は瀬戸内海で待機という事になります。













皇紀2664年 5月5日


桜花

 本日第1艦隊は予定通り呉を出港しました。
とりあえず民間商船の邪魔にならないように一列陣形で待機しています。
まず出港後にやることは空母「蒼龍」の艦載機の収容です(入港中は基本的に空母の艦載機は付近の航空基地に入れておきます)
搭載する航空機は全部で56機。これはこの空母の最大搭載定数と同じ数ですが、実はもう少し余裕があって実際は62機まで搭載できるそうです。
それと今回制空隊には「凄風」32型ではなく新型の33型という機体が入ってきました。

これは現在開発中の53型に搭載する予定の「本田・烈103型」発動機を32型の機体に先行搭載した物で、航続距離等飛行性能が各所向上しています。
この辺はしっかり頭に入れておかなければなりません。
艦載機収容は日暮れ前に無事終了し、これで第1艦隊の全戦力装備は完了です。
後は軍令部からの指示を待つばかりです。













皇紀2664年 5月6日


桜花

 軍令部より指示が来ました。移動目標はトラック島近海域です。

そして第2機動艦隊と合流して別命あるまで待機です。
第2艦隊です。海軍最強の艦隊です。それと合流するという事は、これはもう凄い戦力になりますよね。
なんだかわくわくしてしまいます。
トラック島近海に到着するのは通常巡航で5月の9日になります。













皇紀2664年 5月7日


桜花

 今日、艦内茶店「飛鳥庵」に行ったら艦長さんがいました。
飛鳥庵の店主さんと艦長さんは古くからのお友達なんだそうです。
   
お二人とも入隊してからずっと戦艦飛鳥で勤務していらっしゃるそうで。
艦長さんはもう軍令部勤務になってもいいお歳なんだそうですが、この戦艦飛鳥から離れるのが嫌で軍令部のお仕事を放棄されたんだそうです。
だから年齢的には木島さんより上なのに位は大佐なんだそうです。
でもその気持ち、何と無くわかります。
飛鳥はいい船ですもんね。













皇紀2664年 5月8日


桜花

 最近艦内を歩いていると、兵士の方に「写真を撮らせて下さい」と言われることが多くなりました。
私、実は写真に撮られることが結構好きなんですよね。
最近なんかは兵士さんが多くいる区画に行く時はあらかじめ素敵なポーズを頭の中で考えていたりします。
これって変でしょうかね。
そういえば、写真を撮る兵士の方々は大体私をなるべく低い位置から撮ろうとされるんですが、これは何か意味があるのでしょうか。
その話を参謀部の方々にしたら、木島さんはただケタケタ笑ってるだけでしたが野田さんは「けしからん!」と言って怒ってしまいました。
どういうことなんでしょうか。





橘花

 艦隊行動試験を終了。通常動力艦のみ洋上補給。







皇紀2664年 5月9日


桜花

 トラック島近海域に到着しました。そして待機していた第2機動艦隊と合流です。
もう大艦隊です。第2機動艦隊の中枢戦力、第2航空戦隊を間近で見ました。
航空母艦「天城」は流石に大きいです。併行すると飛鳥がなんか小さい船みたいに見えます。

また、航空機の数もとても多くなりました。これだけの量の航空機があると航空管制も大変です。
2隻の空母で常に複数の航空隊が何かの任務に付いているので、もう、空を見上げれば何かが飛んでるといった感じです。
それと、司令巡洋艦「三笠」もいました。
数ヶ月ぶりに見たのでちょっと懐かしいですね。元気にやっているのでしょうか。
明日から直接続で艦隊行動訓練を開始します。
これだけの大艦隊を私の力で動かせると思うと、なんだか嬉しいですね。
でもちょっと不安です。





橘花

 軍令部の指示により揚陸戦隊を分離、基地に戻す。
代わりに、第14支援艦隊が合流。
機動戦力のみを考えればこの方が動きやすい。







皇紀2664年 5月10日








橘花

 警戒態勢で洋上待機。軍令部の指示を待つ







皇紀2664年 5月11日








橘花

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皇紀2664年 5月12日


桜花

 艦隊行動訓練を終了しました。特に問題は無かったみたいです。
そして本日軍令部から作戦指示が来ました。
実戦任務だったら嬉しいな、と思っていたのですが今回も模擬艦隊戦です。
相手は東鳥島基地所属の第5、及び第14合同艦隊です。
戦力はこちらと・・・まったく同じですね。
勝利条件は単純明快。「敵機動戦力の掃討」です。要するに空母を全て沈めてしまえば勝ちです。
訓練期間は25日と結構長期間になっていますが、それほど時間はかからないと思います。
明日の0600時より直接続に入り、1000時より作戦開始です。
今回はなるべく短期間で終わらせられればいいですね。





橘花

 軍令部より作戦司令。トラック島近海域にて航行中の第1および第2合同艦隊との模擬艦隊戦である。
戦力的にはほぼ互角。
作戦期間は明日より25日間。







皇紀2664年 5月13日
















皇紀2664年 5月14日
















皇紀2664年 5月15日
















皇紀2664年 5月16日
















皇紀2664年 5月17日
















皇紀2664年 5月18日
















皇紀2664年 5月19日
















皇紀2664年 5月20日


桜花

 整備の為一時接続を解除しています。戦闘はまだ終わっていません。
予想してたよりもかなり苦戦しています。
第5航空戦隊が攻撃を受け、駆逐艦「巻波」「峰風」そして重巡洋艦「比叡」が戦列を離れてしまいました。
第5機動艦隊がこれほど強力な艦隊だとは思いませんでした。
なんというか、戦力の全てが一つの生き物の様に統一された機動をしています。
指揮官はかなり優秀な方なのかもしれません。
これは戦略を一から考え直す必要がありそうです。





橘花

 整備の為接続解除。
予想より苦戦。
駆逐艦「秋雲」「霧雨」、重巡「青葉」、大破。戦列を離れる。







皇紀2664年 5月21日
















皇紀2664年 5月22日
















皇紀2664年 5月23日
















皇紀2664年 5月24日
















皇紀2664年 5月25日
















皇紀2664年 5月26日
















皇紀2664年 5月27日
















皇紀2664年 5月28日
















皇紀2664年 5月29日


桜花

 整備の為接続を解除しました。
まだ戦闘は終わっていません。
これはどういうことなのでしょうか。
ここまで苦戦するとは、はっきり言って異常事態です。
第2防空戦隊、第4駆逐戦隊が全滅。そしてついに航空母艦「蒼龍」までも失ってしまいました。
もしこれが実戦だったとすれば、一体何人の方が亡くなられた事になるのでしょうか。
もうほんと泣きたい気分です。
でも、こんな時こそ私がしっかりしなければなりません。
苦戦してる時ほど兵士は指揮官の顔を見るといいます。
私は連合艦隊提督なのですから。
常に毅然としていなければ。





橘花

 整備の為接続解除。
状況は全く好転しない。
第6潜水戦隊、第4駆逐戦隊が全滅。そして空母「瑞鶴」も沈没。
ただ一つ気になるのは、相手側の戦術、艦隊機動が、まるで
鏡に映した様にこちらと酷似しているという事である。







皇紀2664年 5月30日
















皇紀2664年 5月31日
















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